私たちの家で最も恐ろしいのは、目に見えない場所で静かに成長している蜂の巣です。以前、屋根裏から妙な羽音が聞こえるという相談を受け、調査に向かった現場での出来事は、蜂の巣駆除の料金がなぜ高額になり得るのかを象徴するものでした。屋根裏の点検口から中を覗くと、そこにはキイロスズメバチが作り上げた、バレーボール二個分はあろうかという巨大な巣が鎮座していました。この場合の駆除料金は、通常の軒下の作業とは全く異なる計算式になります。まず、閉所作業費という追加料金が避けられません。屋根裏は非常に狭く、断熱材が敷き詰められているため足場が悪く、さらに夏場は五十度近くまで気温が上がる過酷な環境です。防護服を着た作業員がその場所で活動すること自体が極めて重労働であり、命の危険を伴います。この現場での見積もりは、最終的に六万五千円に達しました。内訳は、スズメバチの基本料金が二万円、巣の巨大化による追加料金が一万五千円、屋根裏という特殊な場所への侵入と作業の難易度による加算が二万円、そして巣を撤去した後の清掃と強力な忌避剤の散布、さらに撤去した巣の廃棄料が含まれていました。依頼主の方は最初、その金額に絶句していましたが、私たちが防護服に身を包み、暗い天井裏で数千匹の蜂と戦う様子、そして一つ一つ手作業で蜜が垂れないように巣を袋に詰め、断熱材に付着した死骸まで丁寧に回収する工程を目の当たりにすると、最後には「この仕事にそれだけの価値があることがよく分かった」と納得されていました。実は、屋根裏の駆除において最も費用がかさむ理由は、作業の物理的な困難さだけでなく、その後の処理の重要性にあります。蜂の巣には大量のハチミツが含まれており、これを中途半端に残してしまうと、ハチがいなくなった後に蜜が腐敗して天井にシミを作ったり、その匂いに誘われてゴキブリやアリ、さらには他の蜂が寄ってきたりする二次被害を招きます。また、屋根裏に染み込んだ蜂のフェロモンを完全に消臭しなければ、翌年も同じ場所に女王蜂がやってくるリスクが非常に高いのです。このように、隠れた場所の駆除料金には、再発防止のための高度な技術料が含まれています。表面的な「蜂を殺すだけ」の作業なら安く済むかもしれませんが、住まいの健康を維持するための「環境修復」までをセットで考えるのがプロの仕事です。屋根裏の蜂の巣駆除は、早期に発見できればそれだけ料金を抑えることが可能です。羽音が聞こえたり、屋根の隙間から蜂が頻繁に出入りしていたりすることに早めに気づき、まだ巣が小さいうちに依頼することが、結果として最大の節約に繋がります。蜂の巣駆除の料金は、そのまま家屋のメンテナンス費用であると考え、適正な処置を施すことが、長く住み続ける家を守るための賢明な判断となるのです。
屋根裏の巨大な蜂の巣駆除にかかった費用