鳩がベランダに飛来し始めた初期段階で、まず多くの人が試すのが、ホームセンターなどで手軽に購入できる「鳩よけグッズ」でしょう。これらのグッズは、正しく使えば一定の効果を発揮しますが、同時に、鳩の執着心の強さの前には「限界」があることも理解しておく必要があります。グッズを効果的に活用するためには、その特性を見極め、状況に合わせて使い分けることが重要です。まず、鳩の「視覚」に訴えかけるのが、「光り物」です。不要になったCDや、キラキラと光るホログラムテープなどを吊るすことで、その不規則な光の反射を鳩に警戒させ、近づけなくする効果があります。また、カラスや猛禽類の模型を置くのも、天敵の存在を偽装する点で有効です。次に、鳩の「嗅覚」を利用するのが、「忌避剤」です。鳩が嫌うハーブの香りや、特殊な化学成分が含まれたジェルやスプレーを、鳩がとまる場所に塗布・散布することで、その場所を不快な空間として認識させます。そして、鳩の「触覚」に直接作用するのが、「物理的な障害物」です。手すりの上に、プラスチックやステンレス製の「剣山(スパイク)」を設置したり、見えにくい「テグス(釣り糸)」を数本張ったりすることで、鳩が物理的に着地するのを妨げます。これらのグッズは、鳩がまだその場所に強い執着を持っていない、偵察段階や初期の飛来に対しては、非常に有効です。しかし、これらの対策の最大の弱点は、鳩が「慣れてしまう」ということです。実害がないと学習すれば、CDの隣で平気で羽を休め、剣山の隙間に巧みに着地するようになります。忌避剤も、雨風で効果が薄れてしまいます。もし、これらの手軽なグッズを複数試しても、鳩が諦める気配を見せない場合は、もはや彼らの執着心は本物です。その時は、より強力で、物理的に侵入を不可能にする「防鳥ネット」の設置など、次のステージの対策へと、速やかに移行する決断が必要となります。
効果と限界を知る!鳩よけグッズの正しい選び方