マンション高層階でも発生するキクイムシの謎
「うちはマンションの高層階だから虫なんて来ないはず」と安心している人は多いですが、キクイムシに関してはその常識は通用せず、実際にタワーマンションの20階や30階といった高層階でもフローリングから木くずが出るという被害相談が数多く寄せられています。外部からの飛来侵入が難しいはずの高層階でなぜキクイムシが発生するのか、その謎の答えは「持ち込み」と「元々いた」という二つの可能性に集約されます。一つ目の「持ち込み」は、引っ越しの際に持ち込んだ家具や、通販で購入した木製品、あるいは観葉植物の流木などに虫が潜んでいて、そこから室内のフローリングへと移り住んだパターンです。二つ目の「元々いた」は、マンション建設時に使用された内装材(フローリング、巾木、ドア枠など)に、製造・流通・施工のいずれかの段階で卵が産み付けられており、入居後に快適な空調管理された室内で成長して出てきたパターンであり、実はこちらのケースの方が圧倒的に多いとされています。高層マンションは気密性が高く、一年中温度と湿度が安定しているため、人間にとって快適であると同時にキクイムシの幼虫にとっても冬眠することなく成長できる理想的な環境となっており、自然界よりもサイクルが早く回ってしまうことさえあります。したがって、高層階に住んでいるからといって油断せず、床の隅や家具の下を掃除する際には木くずの有無に注意を払い、もし見つけたら管理会社や施工会社に速やかに連絡して調査を依頼することが、被害の拡大と近隣住戸への拡散を防ぐための責任ある行動となります。