専門家による床下診断が最も確実ですが、日頃から自分自身で家の状態をチェックし、白蟻被害の初期サインを早期に発見することも、被害の拡大を防ぐ上で非常に重要です。専門的な道具がなくても、いくつかのポイントに注意するだけで、白蟻の存在を示す危険信号を察知することができます。ここでは、自分でできる簡単なセルフチェックの方法をご紹介します。チェック1:羽アリの発生4月から7月頃にかけて、特に雨が降った後の蒸し暑い日に、家の中や家の周りで、羽のついたアリのような虫を大量に見かけたら、それは白蟻の「羽アリ」である可能性が非常に高いです。これは、成熟した巣から新しい女王と王が飛び立ち、新たな巣を作るための「群飛(ぐんぴ)」と呼ばれる行動です。羽アリの発生は、家の近くに、数年以上にわたって活動している成熟した白蟻の巣が存在する、何よりの証拠です。チェック2:蟻道(ぎどう)の有無白蟻は、光や乾燥を嫌うため、地中から建物へ侵入する際に、土や排泄物で固めたトンネル状の道を作ります。これを「蟻道」と呼びます。建物の基礎部分(コンクリートの立ち上がり部分)や、玄関の框、お風呂場のタイルなどに、泥でできた筋のようなものが付着していないか、注意深く観察してみましょう。蟻道が発見された場合、それは白蟻の侵入経路であり、すでに家の中に侵入している可能性を示唆します。チェック3:木材の空洞音と食害ドライバーの柄など、硬いもので、家の柱や床、壁などを軽く叩いてみましょう。「コンコン」という詰まった音ではなく、「ポコポコ」という、中が空洞であるかのような軽い音がした場合、内部が白蟻によって食害されている可能性があります。また、玄関の上がり框や、お風呂場の入り口の敷居などが、押すとブヨブヨと沈むような感触がある場合も、被害が進行しているサインです。これらのセルフチェックは、あくまでも初期診断です。もし、一つでも当てはまる項目があれば、それは専門家による詳細な調査が必要であるという、家からのSOSサインです。決して放置せず、すぐにプロの白蟻駆除業者に相談しましょう。早期発見・早期対処が、あなたの家を守るための鉄則です。